精巣(睾丸)は熱に弱い2
②陰嚢(精巣、睾丸)温度の上昇は男性不妊のリスクファクターです。
下記の論文は、ノートパソコンユーザーの陰嚢温度上昇について示したものです。
論文
記事元:Hum Reprod 2005; 20: 452-5
29名の健常男性(21~35歳)に対して、両側の陰嚢に温度センサーを装着し3分毎に温度を計測しました。
室温は22℃、衣服は同一のカジュアルウエアとし、60分コースを2セット
(電源ON or OFFのノートパソコンを膝に置く)、それぞれ異なる日の同一時刻に測定しました。
測定開始の15分前より立位で待機し、椅子に腰掛けて測定しました。
左右陰嚢温度は電源ON(2.6~2.8℃) or OFF(2.1℃)にかかわらず上昇し、
電源ONで有意に高いという結果でした。
ノートパソコンから発する熱のみならず、座位により陰嚢温度が上昇します。
ノートパソコンによる陰嚢温度のさらなる上昇が、精子形成に悪影響を与える可能性があります。
解説
不妊症の半数は男性不妊です。精巣機能は精巣温度が体温の2-4℃低いことが望ましいと報告されています(1998)。
高温が精子形成障害になることは、精策静脈瘤や停留精巣で証明されています。
陰嚢温度の上昇は発熱性疾患、停留精巣、
職業上の高温作業、熱い風呂、サウナ、タイトな下着、座位、運転手、密閉性の高いおむつ、
などで認められ、
不妊要因として考慮されるべきものです。
ノートパソコンのことを欧米ではラップ(膝)トップ(上)といいます。
膝の上で使うためですが、
日本では机の上で使われる事が多いので、事情は異なります。
ノートパソコン内部の温度は非常に高い(70℃)ので、
このような研究が行われたわけですが、座っただけでも陰嚢温度が2℃も上昇することを重視して欲しいと思います。
子宝カウンセラーの会より