精巣(睾丸)は熱に弱い!!
① 「卵巣はお腹の中にあり、精巣は何故お腹の外にあるのか?」
これは、精巣の温度を下げるための必然的なしくみであると考えられています。
精巣が腹腔内にあると(停留精巣)、精子形成が障害されたり、癌化したりします。
よって、停留精巣では早期に手術して精巣をお腹の外に出すことが必要です。
また、幼少時の持続する高熱は精子形成を生涯において障害すると考えられています。
大人の高熱も一時的な精液所見の悪化を引き起こします。
論文
記事元:Hum Reprod 2000; 15: 1355-7
9名の健常男性(21~35歳)に対して、
40分歩行した後にエアコンを使用しないで160分車を運転してもらい、
両側の陰嚢に温度センサーを装着し2分毎に陰嚢温度および気温を計測しました。
左右陰嚢温度は運転開始から徐々に上昇し、2時間後には1.7~2.2℃上昇しました。
本研究は車の運転というライフスタイルが男性の生殖能力に影響している可能性を示唆します。
解説
近年、男性の精子形成が低下しているという報告がいくつかあり、
ライフスタイルや環境ホルモンがそのリスクファクターと考えられています。
近年のライフスタイルに長時間の車の運転があり、
運転の姿勢が陰嚢温度を上昇させる可能性が指摘されています。
フランスの研究では、仕事上毎日3時間以上車の運転をする男性は、
妊娠するのに長期間を要するというデータがあります(1996)。
イタリアでは、タクシー運転手は正常形態の精子が少ないという報告(1996)があり、
ハンガリーでは、不妊症のカップルには運転手が多く、運転年数に比例する(1979)とされています。
運送業の男性は精子運動率が低く、精子数も少ない(1994, 1986)ことが知られています。
1時間運転したら、休憩して少し歩くと陰嚢温度はすぐに低下しますので、ぜひお試し下さい。
子宝カウンセラーの会より