活性酸素とミトコンドリア1
「酸素を取り込みすぎると活性酸素が増え細胞の染色体を傷つける」や
「酸素を吸い込むと、そのうち数%が活性酸素に変化する」と言われていますが、
便宜上言われているだけで、少し違うようです!!
酸素呼吸における、活性酸素の原因
エネルギー産生には、解糖系とミトコンドリア系の2つの系統があります。
解糖系は、無酸素状態で糖質を分解してエネルギーを産生します。
ミトコンドリア系は、酸素を使って、解糖系で作られたピルビン酸を材料にし、
またタンパク質・脂質を材料にエネルギーを産生します。
ミトコンドリア内のマトリックスに運ばれたピルビン酸は、
ビタミンB1を補酵素に、アセチルCoAに変換されます。これによってクエン酸回路にのり、
ここで集められたプロトンと電子はミトコンドリアの膜構造であるクリステに運ばれ、電子伝達系にのります。
(呼吸時に)活性酸素が発生する場所は、主にこの電子伝達系です。
電子伝達系の経路は4つのタンパク質複合体からなりますが、
複合体Ⅰ・複合体Ⅲで電子が滞りやすく、この場合電子は電子伝達系から漏れてしまい、
酸素と反応し、活性酸素であるスーパーオキシドが生成されるのです。
この電子が滞ってしまう原因は、運動不足や肥満などでATP消費が追いつかず、ATPが無駄に溜まりやすくなるからです。
子どもであれば、発育段階のため、ATP消費は大人よりもはるかに進みますが、
大人は発育がないために運動などが減少すればATPは溜まる一方ということです。
つづく